日本では政策的に郊外の住宅地開発が進められてきたが、都市人口比率が低い郊外へと拡散した住まい方は高齢化社会に対応できない。
今後、地方都市はどうなるんだろう?
…ということで、
富山市が実施している都市人口比率を高めるコンパクトシティ誘導政策に注目してます。
富山市のコンパクトシティ政策は成功か失敗か
コンパクトシティ
都市郊外化・スプロール化を抑制し、市街地のスケールを小さく保ち、歩いてゆける範囲を生活圏と捉えてコミュニティの再生や住みやすいまちづくりを目指そうとするのがコンパクトシティの発想。
中心市街地活性化基本計画で、国の第一号認定となったのが富山市。
富山市のコンパクトシティが大きな課題に直面
コンパクトシティ誘導政策をしていた富山市周辺の自治体に次々とショッピングモールやアウトレットモールが出店。
- 高岡市:イオンモール高岡(2002年オープン)
- 砺波市:イオンモール砺波(2015年7月オープン予定)
- 小矢部市:三井アウトレットパーク北陸小矢部(2015年7月オープン予定)
- 射水市:コストコ射水(2015年8月オープン予定)
- 富山市:TOYAMAキラリ(2015年8月全館オープン予定)
富山市とその周辺の地図。2015年夏、コンパクトシティ富山市の“外側”に大型商業施設「イオンモール砺波」(砺波市)、「三井アウトレットパーク北陸小矢部」(小矢部市)、「コストコ射水」(射水市)等が相次いでオープンする。 pic.twitter.com/KhNCHUqFYO
— ノエル(未発育都市) (@mihatsuikutoshi) January 26, 2015
コンパクトシティ誘導政策の課題
コンパクトシティ政策は、中心市街地に集中投資し利便性を高めて都市人口比率を高めていくことになる。
その途中で周辺自治体に郊外型モールを出店されると痛手になる可能性が高い。
民間企業は採算が合わなければ撤退できるけど、まちづくりは政策の方向性を修正できても撤退はできないのが難しいところですかね。
富山市周辺の出店計画は以前から存在したのか、コンパクトシティ政策や北陸新幹線の開通を睨んで戦略的に出店してきたのか不明ですが、コンパクトシティの欠点が露呈した形になった。
富山市の周辺自治体からみれば、富山市のコンパクトシティ政策は絶好のチャンスですw
– @jouro0316 2015/1/26コンパクトシティを推進するのであれば、高速道路のインターチェンジ付近をその地域の中心部に定めてコンパクト化したら良いのだと僕は思います。地域の中心部が鉄道の駅前である必然性はないです。
– @mihatsuikutoshi2015/1/26
個人的なメモ
コンパクトシティ政策を推進するために、まちづくり3法(改正都市計画法、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法)をどんどん改正するのも問題がある。たとえ強引に法改正をしていったとしても、結局デベロッパーといたちごっこになるし。
もっとも、日本は郊外化とモータリゼーションで発展してきた歴史的経緯があるので、コンパクトシティ政策を進めてスムーズに成功するものではない。日本にコンパクトシティは必要なの?という疑問はありますけど。。
日常では中心市街地で買い物、たまには郊外のショッピングモールで買い物…で徐々に都市人口比率が高まっていく気がする。
中長期的に推進するコンパクトシティと短中期的に事業展開するデベロッパーの関係は注目しておこう。